白内障手術
白内障手術について
白内障の眼について
白内障は、年齢と共に、どなたにでも発症する病気です。白内障とは水晶体が濁ってくる病気のことです。
白内障の特徴的な症状
水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、下記のような症状が現れます。
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視力が低下した
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かすむ
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以前に比べて光がまぶしく感じる。
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どんなに矯正しても眼鏡が合わない。
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物がぼやけて二重、三重に見える。
白内障の治療
白内障の治療には、薬剤療法と手術療法があります。
薬物療法について
白内障が軽度で生活に支障がない場合や、手術を受けるまでの間進行を抑えるために、点眼薬や内服薬を使用することがあります。薬物療法はあくまで「白内障の進行を遅らせる」ためのもので、症状を改善させたり視力を回復させることはできません。
手術療法(日帰り手術)
白内障は根本的な治療のためには手術が必要です。
手術では、濁った水晶体を取り除き、なくなった水晶体の代わりに人工の水晶体(眼内レンズ)を挿入します。
白内障手術を受けるタイミング
白内障手術を受けるかどうかは、ご自身で判断いただくことになります。
通常、白内障は数年単位で少しずつ進行していきますので、不自由がなければ、定期的に検査を受けていただきながら様子をみていただくのもよいかと思います。
医学的な目安、当院で手術を受けた患者さまが目安とされていたことは下記の通りです。
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視力が0.6以下になった
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見えにくく、日常生活に支障が生じてきた
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自動車の運転免許証更新が迫っている
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自動車を安全に運転したい
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細かいものを見る仕事に就いている
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屋外がまぶしくてつらい
白内障手術中に起こる可能性のある合併症
水晶体の落下
水晶体を支えるチン小帯が弱い場合や後嚢破損が生じた場合、水晶体が硝子体腔に落下することがあります。水晶体のごく一部が落下しただけであれば自然吸収するので問題はありませんが、高度の場合には取り除く手術が必要になります。
チン小帯断裂
水晶体を支えるチン小帯が弱い場合や後嚢破損が生じた場合、水晶体が硝子体腔に落下することがあります。水晶体のごく一部が落下しただけであれば自然吸収するので問題はありませんが、高度の場合には取り除く手術が必要になります。
水晶体の落下
手術中に水晶体を支えているチン小体が断裂する場合があります。
術中眼内レンズの挿入、固定が不可能な場合は、眼内レンズを縫い付ける再手術が必要になります。
後嚢破損
術中に水晶体のカプセルが破損することがあります。後嚢が破れると眼内レンズの支えに不安が生じるため、レンズの固定位置に工夫が必要になります。手術時間の延長や再手術が必要になる場合があります。
白内障手術 よくある質問
Q.白内障手術は、早く受けた方がいいものですか?
基本的には、ご自身が生活上、不便を感じたタイミングで受けることをおすすめしています。
自動車免許の更新をきっかけに手術を考える患者さまも多いです。
あまり白内障が進行すると術前検査も難しくなり、手術自体も難易度が増すため「見えにくさ」が気になったタイミングで手術をお考えください。
Q.白内障手術後、どれくらい見えるようになりますか?
日常生活に困らない位と表現することが多いです。進行度や他疾患の併発などによって変わります。
白内障以外に角膜、網膜、視神経に異常のある方は、手術してもさほど視力が変わらないことがあります。ただし、白内障による濁りは取ることが可能ですので、見え方は明るくなります。
Q.白内障が再発することはありますか?
白内障手術は水晶体を取り、人工レンズに入れ替える手術となりますので、一生に一度の手術です。
ただ、「後発白内障」いう水晶体が入っていた袋が手術後に混濁して、視力が低下することがあります。
その場合にはYAGレーザーにて濁りをとり、視力を改善させることができます。
Q.手術は痛くありませんか?
麻酔も点眼にて行いますので、麻酔導入の際もほぼ痛みはありません。痛みの感じ方は人によって異なりますので、痛みに敏感な方に関しては麻酔を追加するなどして、できるだけ痛みがなくスムーズに手術が完了するようにいたします。